「お元気ですか?大作戦」 熊野古道(紀伊路)だより by いのこさん


今回の「お元気ですか?大作戦」は和歌山よりいのこさんです。いのこさんについてはこちらをご覧ください。

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ちばてつやの漫画ではありませんが、「あしたのため」(いつかマラニックをご一緒)に、熊野古道ウォーキングでBMIを減らすことにしました。現在の値は30.1、今走っては確実に足を痛めます。まずは5㎏減を目指します。


〇熊野古道について

熊野古道は、熊野三山(本宮大社、速玉大社、那智大社)への参詣道で、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、2004年に世界文化遺産に登録されました。和歌山県と「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の最終地であるスペインのガリシア州は、1998年に姉妹道提携を行っています。なお、今回歩く紀伊路(和歌山県分)は、小辺路、中辺路、大辺路、伊勢路、大峯奥駈道とともに、熊野古道主要ルートの一つです。


今回は、下図のルートを歩きました。(和歌山県公式観光サイトから引用)

https://www.wakayama-kanko.or.jp/plan-your-trip/model-courses/route-map/kiiji/


〇山中宿を出発点に(大阪府阪南市)

 山中宿の北側入口からスタート。元禄以降、紀州藩の参勤交代で賑わったらしく、550mほどの短い町並みですが、いにしえの風情と、地域の皆さんの丁寧な生活ぶりが感じられます。

・庄屋屋敷や本陣などが残る街並み。

・ところどころに街角博物館があります。

通りには、ゴミ一つなく、歩いていてとても清々しい気持ちになります。

・馬目王子

「王子」は紀伊路と中辺路だけに見られ、参詣者の守護が祈願される場所です(大阪府に23,和歌山県に78)。馬目王子は、紀伊路の大阪府最後となる23番目の王子です。

〇雄ノ山峠(県境)越える

 宿場を後に、阪和高速道とJRきのくに線に沿って、府県道和歌山貝塚線を歩きます。県境には境橋があって、大阪府側のたもとに、お上公認による最後の仇討ち場がありました(1863年成就)。また、この付近は、日本遺産の「葛城修験道」と交差する地域です。山中王子を経て、順調な足取りで峠を目指します。峠を示す標識はありませんでしたが、ほんの少し下ったところに、不動明王を納めた小さな祠がありました。

・熊野古道(府県道和歌山貝塚線)の県境付近。

・免許状にて行われた日本最後の「仇討ち」場。



・山中王子(和歌山市滝畑)

・峠に向けてさらに登路が続きます。

 いにしえの熊野古道に思いをはせながら、高速道路を横目に車道を歩きました(どこかに山道があるかも)。

・峠の不動明王。


 道端にたくさんのイノシシの堀跡を見ながら、順調に坂を下ります。

・下り坂が緩やかになったあたりで、高速道路の大きなジャンクションが頭上に見えてきます(阪和道と京奈和道との和歌山JCT)。

〇山口王子から吐前王子へ(紀の川を渡る)

 県道を、集落手前で左にそれて、山口王子へ。その後、紀ノ川平野北端を東西に走る県道粉河加太線を西に、炎天下の中を歩きます。コンビニがあるかと思いきや、予想外れに終わってしまいました。このころ、歩き始めて3時間、距離は10kmほど。リュックには、飲み物あるが、冷たいアイスクリームが欲しい。

・集落手前で左にそれます。

・山口王子(和歌山市湯屋谷)

 中央に写る新しい石碑は「和歌山の青石」(緑色片岩)のよう。庭石や石垣に使うととても美しい。

・車の多い粉河加太線を歩く。時刻は9時近くなり、日差しと気温が増して、ツライ。線路のように見えるのは、電線の陰で、日差しの強さが分かりますね。コンビニが見つからない。さらに、日ごろ履きなれないテニスシューズのため、つま先が痛くなってきました。


・川辺王子(和歌山市上野)

・炎天下の水田地帯を歩くのは、なかなかです。

 紀ノ川の下流部に和歌山市があり、平野部の農業は今も米栽培が盛んです。中流部の紀の川市周辺は、カキ、モモ、ハッサクなどの果樹栽培、さらに上流部の奈良県に入ると、紀ノ川は吉野川と名前を変え、林業が盛んです(吉野杉が有名)。

・中村王子(和歌山市楠本)

 水田地帯の中に、看板だけがぽつんと残っていました。近くにショッピングモールを見つけ、寄り道をすることに。フードコートで食事をし、体温を冷やすため、少し長い約1時間の休憩を取りました。11時にウォーキングを再開しますが、外は、相変わらずの炎天下です。

・紀ノ川北岸の堤防沿いの道

今は紀の川を渡る船着き場はなく、少し下流にある川辺橋を渡ります。

・紀ノ川にかかる川辺橋(756m)

 歩道左隅にあるわずかな日陰に沿って歩きます。ショッピングセンターで滞在したお陰で、元気は出たものの、さすがに炎天下の歩行はつらく、つま先の痛みはさらに増してきました。

・欄干の合間から見る龍門山(紀州富士)

・紀ノ川に沿って走るJR和歌山線。和歌山県内の同線の駅は22と多く、ほぼ2kmおきに駅がありますから、駅密度が全国一高いJR路線かもしれません。半分ほどの駅は、2両分のホームのみの、駅舎のないのもので、事情を知らない人が4両編成の後部に乗ると、田畑のまん中に電車が止まって、ビックリします。

・吐前王子(和歌山市吐前)


〇JR布施屋駅で本日の行程を終了

 12:20に駅に着くが、ちょうど4分後に帰りの電車が来るタイミングでした。炎天下を避けて昼寝後にさらにウォーキングを続ける予定でしたが、つま先の痛みがひどく、本日はこれまでに(16.4km、標準所要時間5時間45分を約6時間30分で踏破)。いつか、すがすがしい気分でマラニックすることを夢見て、BMI減少に挑みます。

次回は、猫のたま駅長で有名な和歌山電鐵貴志川線を渡ります。


イノシシ一口メモ

猪突猛進や猪武者という言葉から勇ましいイメージが連想され、走る姿もよく描かれます。しかし、彼らはふだん走ることをしません。動物が走る理由で考えつくのは、獲物を獲るためか、捕食者から逃げるため、また、たまには仲間同士の喧嘩で走ることもあるでしょう。ライオンなどの肉食獣は、鋭く尖った裂肉歯やカギ状の爪をもっていて、走って獲物を倒します。一方、イノシシの食べ物はほとんどが植物質で、相手を倒す武器をもちません。雄には長くのびた犬歯がありますが、これは後ろ向きに反った護身用で、相手を襲うのにあまり役立ちません。イノシシが走るのは、どうも何かから逃げるためのようです。猪突猛進という言葉は、恐さで必死に走るイノシシの様子を見て、人間が誤解してつけた言葉のようです。「写真」はイノシシの母子で、雄は子育てには参加しません。


春から初夏に出産し、生後約3か月までの小さな子どもには、縞模様があって、ウリ坊と呼ばれます。

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