マラニックでウォーキングを満喫しました by 福田由実


ランニング大学・友の会 2022年5月22日マラニック 

ランニング大学は3年ぶりにマラニックを開催。5月22日の日曜日はお天気にも恵まれて、我らウォーキングの部は有明スポーツセンターをいざ出発。


※写真はクリック(タップ)すると大きくみることができます。

メンバーは、ランニング大学・学長で、このマラニックイベントの生みの親である我らが山西哲郎先生(70代)と、山西先生の先輩で富山大学名誉教授であり、陸連の幹部を歴任していた山地啓司先生(80代)、埼玉県熊谷市にあるベアリス・ランニングクラブの中村英明さん(70代)、それに高校の同級生同士で共に膝を痛めている鎮目君と私(60代)の高齢者メンバー5名。
 さて、最初の交差点で、未来の車社会を牽引するか?という水素カーのための「イワタニ 水素ステーション」脇を通り、高級車が並ぶ会社のディーラーを冷やかして、豊洲方面へ。富士見橋を渡り、東雲運河沿いにゆったりそぞろ歩き。豊洲市場前のこの辺りの緑地帯は豊洲ぐるり公園というのだそうな。公園の遊具は家族連れで賑わっている。植えられた木々の新緑と芝生の緑が、この人工的な町に小さなアクセントを加えている。山西先生は、早速、芝生に入ってストレッチ。腰を伸ばすとアー気持ちいい~。芝生で寝そべって子供のように喜んでいる。早速裸足になって、「これがいいんだよ!」




 東雲運河に沿って、豊洲ぐるり公園をのんびり歩く。運河沿いのテラス道は、ランナーが沢山走っている。近くのスポーツジムの選手が、橋の下でトレーニングをしている。デートを楽しむ人もいる。運河の向こう側、ビルの谷間に東京タワーが見えるらしいのだが、うっかり気が付かずに進んでしまった。残念!
 運河の先に水門が見えてきた。豊洲と東雲をつなぐ水路にある水門で、「止めるぞ高潮、守るぞ都民」の大きな標語が掲げられている。こんな標語のある水門は他にはないそうで、これを作った当時の役人の心意気が感じられる、と、そう言ったのは、タモリさん。ブラタモリで豊洲の歴史を深堀りしたときのことだ。我々のウォーキングコースはブラタモリの豊洲編再訪なんである。実は豊洲は東京大震災の時のがれきで埋めたれられたそうで、ほぼ全域埋め立てで真っ平らな東京の湾岸地帯は、高潮が来たらひとたまりもない。標語はそういう埋め立て地域の運命に対しての昭和の役人の決意表明というか、負けないぞと言う気概の現れ。戦後の復興期から高度成長期は、役人も政治家も頑張っていたんだなあ。この標語に敬意を表して全員で記念撮影。



 水門の後は、水路に沿って北に進みアーバンドックへ。かつての石川島播造船所跡地で、いまはららぽーとの町といえばいいか。若い家族連れで活気溢れるアーバンドック一帯に、子供たちの声が響く。ここは犬の天国でもあって、あらゆる犬種のわんちゃんがお散歩したり、屋外のテラス席で家族と一緒にランチしたり。ららぽーとの周辺は公園とイベントスペースになっていて、ドックの歴史遺産があちこちに残されている。はしけをつなぐピアや、船のいかり、ドック内を走る貨物列車の動輪などがさりげなく設置されているのだ。




 アーバンドッグのキッチンカーでランチをもくろんでいた我々だが、キッチンカーの数が少なく、しかも全部行列。そこで全員ららぽーとのフードコートへ行くことにした。しかし、ふと気が付くと中村さんがいない。慌てて探したら子供たちのダンスショーに見入っていた。「可愛いよねえ」うんうん。子供向けのジャンプ体験装置には、中村さんも「やってみたいね」。残念ながら体重制限で大人は乗れなかったけど。
 お昼時のフードコートは恐ろしく混んでいて、我々はテイクアウトにして外で食べようと算段。お寿司をテイクアウトしていざ出ようと思ったら、山西先生だけがテイクアウトではなく、フードコート用のお盆を持ってたたずんでいる。話を聞いてなかったみたい。仕方なく、山西先生と山地先生は、たまたま空いたフードコートの2人がけの席でランチ、残る3人は外のベンチでランチ。別々になってしまった。その時のお寿司。厨房は戦争のような忙しさだったけど、とても美味しかった。ごちそうさまでした。




 ランチ後、中村さんは薬を飲む。実は70代の前半をパーキンソン病と闘ってきたのだ。あるときから転んでも手が先に出なくなったり、スキーがコントロール出来なくなったりして、病院に行ったら診断されたのだそうだ。運動しないと機能が低下するのだそうだが、薬を飲むとだるくなって何もやる気がしなくなってしまうという。マラニックのようにみんなで一緒にする運動なら持続できるから参加しているのだ。そうやって積極的に人と関わってきて、発病後5年で車イスになると言われたが、発病6年経っても自立して歩いたり少し走ったり出来る。大したものである。パーキンソン病は、iPS細胞などの再生治療が効果があると言われていて、研究成果が待たれるそうだ。研究者の皆さん、頑張ってください。
 さて、食後はそのままドックを散策。沢山の犬に出会って、山西先生はとてもうれしそう。ただ、みなさんに「いくらだった?高かったでしょう」と聞くものだから、飼い主さんは困惑顔。山西先生、どこまでも天真爛漫一直線。山地先生も、「この人は僕の奥さんにも何でも言っちゃうんだよ。困るんだよ」とちくり。山西先生は、「僕は、山地先生の奥さんから信頼されているんですよ」と涼しい顔。


 ランチの後は、アーバンドックの名物のひとつ、旧晴海鉄道橋を見に行く。かつて石炭等の物資を運んだという列車の鉄道橋だけが保存されているのだ。戦後の高度成長を象徴する遺跡なのだとか。現在、この橋は再整備されていて、近々遊歩道として一般公開される予定。目下、そのための耐震補強工事の真っ最中だ。




橋を観たあと、甘いものが食べたくなって、ららぽーとの日本茶カフェで一服。席が空くのを待っているときに墜落睡眠したのは、薬を飲んだ中村さんではなくて、久々に歩いたあとにがっつり食べて眠くなった福田。「あ、寝てる~」と鎮目君にからかわれても、止められない。すみません、しばらく成仏させてください。でも、そのおかげで、席に案内されたからはバリバリ元気。みなさんがお煎茶やあんみつを注文する中、私はぼた餅3個とお抹茶。更に満腹になったのでありました。



 お茶の後は、マラニックのウォーキング部も最終章。鎮目君が、帰りのバスの時刻とバス停を調べている。少し遅れそうだと、事務局に連絡も入れてくれた。人生の大ベテラン高齢者メンバーは。何があっても焦らないのだ。豊洲駅前のバス停から、有明一丁目への短いバス旅。それでも車窓から見る景色はまた違って楽しい。夏日が少し暮れてきた湾岸だが、まだまだ明るい。私たち5名も明るく元気に有明スポーツセンターに帰還したのだった。全行程6.6キロのウォーキングマラニックだった。





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