夏を迎えたランニング 暑中に涼を見つける

サガリバナの落花


暑中お見舞申し上げます。
みなさま、お元気でしょうか。

 関東地方もようやく梅雨明けを迎え、さっそく晴天が広がっています。
いささかの猛暑で日中に走るのがためらわれるこのところですが、暑い中にもどこか涼しさを探して元気に走り歩きたいものです。

 夏を迎えて、どのような工夫をなさっているでしょうか。
朝夕や夜間の気温の低い時間帯を選んで走る、こんもりとした樹木が与えてくれる木陰を歩く。公園の水道は心強い味方です。盛夏になれば、帽子を脱いで頭から水をかぶるのも一興、冷たい心地よさに思わず声が出ます。

 思えば、「涼し」は夏の季語。歳時記(注)によると、「酷暑の中で一点の涼しさを探し求める待望の季語」だそうですが、なかなかその境地までにはたどり着けていない私がいます。

(注 今はじめる人のための俳句歳時記 角川学芸出版編 角川文庫)

 それでも、少しでも涼を見つけて走りたい。私なりの「涼し」さを振り返ります。



 同じ日陰でも、コンクリートの建物の陰と木陰では大違い。豊かな木陰にちょいと腰をおろして息を整えると周りがよく見えてきたりします。
自転車などでやってきて本を読み耽る人がいることもあり、それはそれで豊かな時間だなと感じます。



 両側から覆いかぶさる緑でトンネルのようになった細い道。向こうに歩いてゆく親子の会話も弾んでいるでしょうか。



 桂の大木は、たくさんのまぁるい葉が豊かな木陰を作ります。
根本にたたずむ私の汗が足元に滴り落ちました。


野川沿いの水車


野川公園を流れる野川

 私がよく走る野川沿いの光景です。
水車が透明な水滴を飛ばし、川に流れ落ちる細流を追う男の子がいます。彼の目にはどんな景色が映っているのでしょう。
野川は野川公園を突っ切って流れます。浅い川の流れに立ち込んで楽しそうな子どもたちがいっぱいいますが、なに、大人だって水遊びをしたいのです。


ヤマユリ

サクユリ

ヤマユリに似たサクユリは絶滅危惧種。ヤマユリのように雄しべの葯がまだ開いていない様子が初々しい。
この花を観るには朝の間に限ります。


左 ヤブカンゾウ、右 ノカンゾウ

道端にオレンジ色の甘草が目につきます。
八重のヤブカンゾウ。一重のノカンゾウ。
私はシンプルなノカンゾウの方が好きなのですが、みなさまはどちら派?


カリガネソウ

ソバナ

ハグロソウ


青い色には涼しさを感じます。
スミレなどの春の青、リンドウなどの秋の青とはどこか違う夏の青。暑い中にどこかしらホッとします。

カリガネソウ(雁金草)は、別名ホカケソウ(帆掛草)。そう言われてみるとどことなく帆掛け船を連想しなくもありません。
鮮やかな青紫と独特の形に暑さを忘れます。丸いつぼみもかわいらしい。

ソバナの青はなんとも涼やかで嫋やかで。
もうしばらく後に咲くツリガネニンジンとも似ていますが、少し傾いて楚々と咲くソバナには野山を吹き過ぎるそよ風が似合います。

見落として走りすぎてしまいそうな小さなブルーはハグロソウ(葉黒草)。立ち止まったときに足元にそっと咲いていました。
葉が黒っぽいから葉黒草なのだそうですが、そうかなぁ。






一転艶やかなのは蓮の花。古代ハスと言われる大賀ハスです。人の背よりも高い葉の間から伸びた花茎に、大振りな花。
どこか異世界に誘うような雰囲気を感じさせます。
雨のあとなどでは、広い葉にたまった雨水が金属光沢のように輝いていることも。町田市の薬師池公園。




汗を鎮める赤紫蘇ジュースは、毎年この季節に作る定番です。
この一杯のために汗を流してこようかとも思うのです。

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