「お元気ですか?大作戦!」赤城山を眺めながらの朝の散歩と「浮いて待て」 by 田村祐司さん


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(楽走プラスより:田村先生が監修なさった水辺の安全学習アプリをご紹介しています。末尾をご覧ください。)

みなさま、ご無沙汰しております。

お元気ですか。「楽走プラス」でみなさまにお話できることを嬉しく思います。

私は、前橋にある家の近くの赤城山南麓の林と林に挟まれた谷に整備された小さな森林公園の芝生で、時折朝の散歩&ジョギングをしています。

下の写真は、その公園での朝の散歩の一コマです。今は、モンシロチョウが盛んに舞う中で、色とりどりの初夏の花々が花壇が彩り、雨に濡れたアジサイの花が華やかに咲いていて、目を楽しませてくれます。

谷を下る小川からは、せせらぎが聴こえ、梅雨の今、夕方になると蛍が舞い始め、ほたる公園とも言われています。野球場もある小さな公園ですが、コロナの影響か、それともあまり知られていないのか、公園には人影がいつもほとんどなく、小さな静かな谷の公園を独占しているようで、申し訳ない気分です。鮮やかな夏らしい花も咲き始めてきました。







林の中から、ウグイスの囀りも聴こえてきました。囀りをお送りします!

ランニングの世界・友の会が主催する「自然流ランニング大学」の学長で、2年前に長年教鞭をとられていた群馬大学と立正大学での教員生活を終えられた山西哲郎先生のお住まいがあり、本誌「ランニングの世界」編集委員の野口智子さんや詩人の萩原朔太郎の故郷でもある「水と緑と詩の街・前橋」は、赤城山南麓にある自然豊かな街です。写真は、前橋東部郊外の家の近くから眺める裾野の長い赤城山です。同じ前橋南麓の前橋でも、前橋北西部に住んでおられる山西先生のご自宅から眺める赤城山と、前橋東部の自分の家から眺める赤城山の姿は、少し違っています。赤城山に抱かれて生活している前橋市民は、長く住み慣れた自分の家から眺める赤城山が一番の眺めだと主張し合い、おもしろいものです。

 さて、昨年10月の後期からは、学生も越中島に戻ってきて、対面授業も始まり体育授業も、いつもランニング教室で皆さんと一緒に走った青々とした芝生グランドでサッカー等で、学生たちも走り回っていましたが、12月末からのコロナ第2波により、再び対面授業の自粛でオンラインの生活に戻りました。

4月に新学期を迎え、再び対面授業ができるようになり、新学期恒例の隅田川・佃島マラニックでの体育授業は何とか予定通りに行えました。1.2年生全員300名を6クラスに分けて、隅田川の遊歩道をマラニックしながら所々でガイドをして、佃島の住吉神社と細い路地奥にある佃天台地蔵尊をお詣りしてきました。

しかし、マラニック授業が6クラス全て終わった翌週の4月下旬から再び、コロナ第3波による対面授業の自粛で、体育授業もオンライン授業と家の近くでの自主的運動に変更し、今年も昨年に引き続き、6月から実施予定であったプール水泳授業も中止に-せざるを得なくなりました。

そんな中、6月14日(月)のNHK朝の番組「あさイチ」で「水害・熱中症・落雷・水の事故 夏の“もしも”から命を守る方法」特集が放送され、その中で自分が所属している水辺の安全普及団体である水難学会による「水に落ちたら、背浮きになって浮いて待て!」の実演と解説が行われました。収録は5月末に都内の室内プールをお借りして行われました。先日の放映では、水難学会会長の解説に合わせて、番組の進行をしていた若い男性アナウンサーがプールで「背浮き」を実演し、自分も補足実技を行いました。

最後のまとめでは、水辺に行く時や河川洪水で避難する時は、ライフジャケットを着て行くことが大切で、もしライフジャケットが無い場合で、水中に転落したり、背の立たない深みにはまってしまった場合、さらには河川氾濫による洪水からの避難中に流されてしまった場合は、「背浮き」で浮いて呼吸が確保できると、溺水せずに生存できる可能性が高くなる!というストーリーで終わりました。

昨年は、コロナ禍で海やプールが閉鎖となり、暑い夏に身近な川で水遊びをする人々が増加した結果、水辺活動時の必須アイテムであるライフジャケットを装着せずに水遊びをしていて、深みにはまって、背浮きもできずに溺れて亡くなってしまったと思われる方々が、夏の期間だけでも前年より全国で20人も増加しました。コロナ禍が続く今年の夏は、魅力にあふれた水辺で遊ぶ時は水の事故予防のために、各自がライフジャケットを着て水遊びをしていただきたいと思っています。

水辺で遊ぶ時は、水難事故から自分の命を守るために、ドライバーがシートベルを締めるように、ライフジャケットを国民全員が着る習慣や文化が育っていって欲しいと思います。そして、もしライフジャケットを身に付けていないで水遊びをしている時に、水中の深みにはまってしまったり、水中に転落した場合は、自分たち水難学会が普及している「背浮き」になって鼻と口を水面の上に出して呼吸を確保し、消防の救助隊が通報を受けて現場に到着する全国平均8分以上、約10分間程度背浮きで浮いて待てると、助かる可能性が高くなります。昨年度、10年ぶりに改訂された文科省・小学校新学習指導要領の水泳運動の高学年では、従来のクロールと平泳ぎの他に、「安全確保につながる運動」として「背浮き」が新規に明示され、今後は溺水事故予防のために、全国の小学校で「かけ算九九」同様に「背浮き」を学ぶことが示されました。自分も7月中旬に、前橋に隣接する伊勢崎市内の小学校の4.5.6年生11クラスに対して、伊勢崎消防や前橋消防に所属する水難学会指導員と協力して、4日間、感染予防対策をしながら、「背浮き授業」をプールで行ってきます。

みなさん、コロナが収束したら、また越中島でランニング教室を行いましょう。夏には走った後に、また皆さんで越中島のプールで水面をウォーターベットにして、プカプカ気持ちよく浮かんで、涼みましょう!

それでは、またどうぞよろしくお願いいたします。(2021.6月18日 記 田村祐司)


楽走プラスよりお知らせ:

<水辺の安全学習アプリ>

小学校5・6年生向けに日本赤十字、水難学会など6団体によって制作され、B&G財団から無償提供されています。水難学会副会長を務められている田村先生が監修なさいました。

https://www.bgf.or.jp/safetyprogram/app/index.html

 中日新聞の取材に田村先生は、「昨年はコロナ禍でプールや海水浴場が閉じられ、身近な川で遊ぶ人が増えた。ぜひアプリで安全について学び、水に親しんで。」とコメントなさっています。(中日新聞 2021/6/18)

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