【掲載にあたり、オリジナル原稿の写真レイアウトを変更せざるを得ませんでした。
南海の豕さんによるオリジナル原稿は、下のリンクからご覧いただけます。】
後方羊蹄山は蝦夷富士とも呼ばれ、富士山型をした秀麗な独立峰です。このタイプの山に登るのは、とてもウキウキです。登るほど高度が上がり、その高さが実感されるからです。ただ、体調が悪いと、とてもハードな山登りになります。さて今回はどうでしょうか。ちなみに、登る楽しさは、ランニングでもきっと感じることでしょう。
後方羊蹄山の地図は、見るだけでワクワクです。青い線は私が歩いたルートですが、今回は北西からの比羅夫コースを辿り、火口を一周して同じコースを下山しました。登山道は4つありますが、いずれも同じような直登コースです。
暗いうちに身支度をして、朝4:30明るくなって出発です。前日は、千歳でレンタカーを借りて、登山口の駐車場で車中泊をしました。駐車場につくと、周りはすでに薄暗くなっていましたが、パトカーと消防関係者らしい車が止まっていました。警察官に話を聞くと、登山者が山中で歩けなくなったとのことです。しばらくすると登山者が無事に降りてきて、ホッとです。頂上までの標高差は1500mを超えます。体力がいる手ごわい山で、油断は禁物です。
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ゴゼンタチバナ |
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クルマユリ |
さて、話を戻します。森林帯の中を歩いていると、道端のアジサイがとても綺麗でした。ゴゼンタチバナやクルマユリも出てきます。ついカメラを手にしますが、できるだけ我慢して、先を急ぎます。
ほぼ1時間で2合目(標高630m)を、さらに1時間半ほどで6合目(標高1190m)を通過しますが、この時点で標準コースタイムより10分ほど早くなっていました。2日前には十勝岳、さらにその2日前にはトムラウシ短縮ルートをそれぞれ日帰りで登りましたが、その疲れは今一つ出ず順調、まずは一安心です(実は、トムラウシの日帰りはとてもハードで、疲労困憊の2・3歩手前といった感じでしたので)。
どんどん、登ります。着実に高度を上げていることに少し快感を覚えます。つらい登りが楽しい時間というのは、少しおかしな話ですが、みなさんも納得できることでしょう。時々、雲間ができて下界が見えます。写真は倶知安の街並です。意外と快調快調、さらに登ります。標高1500mあたりで森林限界となりました。
新しい避難小屋への分岐(9合目、標高1680m)を過ぎると、高山植物がどんどん出てきます。いたるところに、チシマフウロやイワブクロが、また、シラネアオイも顔を出します。ついカメラを手にするが、少しだけで我慢です。 |
チシマフウロ |
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イワブクロ |
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シラネアオイ |
歩きはじめて、約4時間、ようやく稜線に出ました。目の前には丸い火口が広がり、ほぼ反対正面に頂上が見えます。火口には雪渓も残っています。白い雪渓を見ると、高い山に登った感じがします。また、天気の良い日はとても涼しく感じて、気持ちが良いものです。
高度差の少ない稜線はとても歩きやすく、ハイマツのところで可愛いエゾシマリスと遭遇。ルンルンな気分です。
9時ちょうどに山頂に到達しました。登りに掛かった時間は4時間30分、標準コースタイムは5時間です。
山頂から北東方向に山並みが見えましたが、頂上部が雲に隠れて分かりません。空はほぼ快晴ですが、下界は雲海の中、うーーん。火口を一周して下山します。帰りは、高山植物の撮影が待っていて、これも山登りの大きな楽しみです(写真はまとめて文末に)。
火口内のキバナシャクナゲ群落
13時30分に、登山口に無事到着。長い下り道に少し疲れましたが、久しぶりの気持ちの良い、すがすがしい山登りでした。本日の行動時間は、合計8:57(休憩時間1:02)、距離11.7km、登り下りとも累積1618mでした。ああ、楽しかった。次はどこに行こかな。
追伸:帰りは後方羊蹄山近くの京極温泉で汗を流しました。その後、千歳空港でレンタカーを返却し、空席待ちをしてANA最終便を運よくゲット、夜遅く無事に和歌山の自宅に戻ることができました。
追伸2:羊蹄山のことを調べていると、大好きなコマクサが話題になっていました。山頂で生育するコマクサが人為的に持ち込まれたことが分かり、それをきっかけに、自然公園法に「国立公園内の特別保護地区内で動植物を放すことを禁じる」が追加されたそうです(現在、コマクサの除去が実施中)。自然の中に、できるだけ手を付けないで残す地域があることにも注意したいものですね。
火口を取り巻く登山道で見た花々(植物名は自信がありませんので、ご注意ください)
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メアカンキンバイ |
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カラマツソウ |
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ヤマハハコ |
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ツガザクラ |
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ミヤマキンバイ |
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ハクサンチドリ |
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ウコンウツギ |
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イソツツジ |
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チシマギキョウ |
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コケモモ |
次は、樹林地帯で見た花です。
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エゾアジサイ |
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オニシモツケ |
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ウバユリ |
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ヤマグワ |
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オオカサモチ |
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キツリフネ |
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